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術後のICUで、率直に「こわい」と思った。

4日前に、大腸がんの手術をした。

S状結腸と直腸のあたりにある、がん組織の切除だ。

私はそれまで、手術や癌そのものを、あまりこわいと思わないようにしていた。

手術の前日もだるくて仕方なかったし、早く切除したいと思っていたので、別に恐怖心はなかった。

だけど術後、それは覆った。

術後のオペ室で、名前を呼ばれて麻酔から目を覚ました。

焼けるような腹部の痛みと、寒さでガタガタ震える自分の顎。

両腕・両手首には針を何度か刺されて、途中失敗された。

左腕に点滴2本と、右手首の血管から管が出ている状態になった。左手首からは血管がとれなかったようで、針の跡と痛みだけが残った。

オペ室からICUに移動中も、お腹の焼けるような強い痛みが続いていた。手術台からベッドに移される時、多少の衝撃ですらお腹に響く。

移動中は自分の周りを5~6人くらいの医師や看護師が取り囲んで移動していく。

ICUに着くと、それぞれの役割が終わったのか徐々に人が減っていった。

腹部の痛みはまだ続いている。点滴から痛み止めを入れているというが痛い。なのにそれぞれに担った処置が終わると、周りから人がいなくなるのが病院。そしてICUなのだ。

ドアや仕切りのない、半個室のような所にベッドはあり、人の声や気配はあるが、ベッドに横たわった視界からは白い天井と壁くらいしか見えない。

ここから、痛みと不安と孤独に耐える一夜がはじまった。

ナースコールを押し、痛み止めを追加してもらって30分くらいは、痛みがマシになる。それを過ぎると、徐々に痛みが強くなる。

またナースコールを押して痛み止めを追加してもらうが、忙しい看護師は処置が終わるとその場を切り上げて行ってしまう。

「また様子見に来ますね」と言ってくれる人はいい方で、雑な看護師は処置が終わると何も言わずに立ち去っていく。

痛みで眠れない夜を過ごし、明け方にはっきりと認識したものがある。

それは、私は「こわい」と感じていること。

痛みが続くことの「こわさ」何をされるか分からない「こわさ」、痛みと孤独を両手に持つ「こわさ」。

それらすべてひっくるめて、「病気のこわさ」をちゃんと自分は感じているのだとわかった。

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